7月26日(火)~28日(木)の日程で、2016年の「東北の高校生の富士登山」が開催され、無事終了しました。
今回は福島県26校、宮城県3校の計29校から高校生93人(女子43名、男子50名)が参加し、東北の高校生93名全員が、富士山の最高峰である剣ヶ峰3776mに登頂することができました。
登り下りは時折強く降る霧雨の中での歩きでしたが、頂上では青空となり、青空に雲海が広がる中を五合目まで下りました。
【7月26日(火)】
水ヶ塚での開会式の後、バスで五合目へ。この日は六合目の山小屋までの短い行程ですが、歩き方や呼吸法を学びながら、足慣らしを兼ねてゆっくりと進みました。
小屋に着いてから、高所順応のために、六合五勺付近まで往復。引き返す途中で、さらに上部の山小屋へと向う田部井隊一行とすれ違い、エールを交わし合いました。
【7月27日(水)】
ヘッドランプを点けて未明に出発。
慣れない暗さと、降り続く小雨に気持ちも萎えてしまいそうでしたが、各班でお互いを励ましあいながら、一歩一歩山頂へと向かいます。
七合目では、先に登っていた総隊長の田部井淳子が次々に来る高校生たちに声をかけて励ましました。
時おり青空がのぞく頂上が近づくと、「がんばろう東北」と大書された日の丸の旗がたなびいていました。埼玉から応援に駆けつけてくれた一般登山者の人でした。
さらに上の鳥居の辺りでは、応援ツアーに参加してくれた方々が、応援の手ぬぐいを掲げ、口々に声援と握手で出迎えてくれました。高所の苦しさも足の痛みも吹き飛んで、感激して涙ぐむ高校生も。
頂上での休憩と集合写真の撮影も終わろうというころ、黒川惠登山隊長から声がかかりました。「まもなく、遅れていた最終のグループの人たちも登って来ます。みんなで出迎えましょう」。山頂神社へと続く道の両側に連なる出迎えの人並み。「おめでとう」の拍手と歓声と涙。今回のハイライトでした。
下山途中から雨が降り出しました。疲れた体には辛い雨ですが、みんなが登頂できた喜びをかみしめて、滑らないように一歩一歩慎重に下りました。
帰り着いた六合目の小屋の前で、先に下りていた田部井が一人ひとりに声をかけて、出迎えました。
【7月28日(木)】
最終日の朝は一面の雲海。影富士も見えました。
昨日登った山頂をバックに全員で記念写真を撮ってから下山しました。
五合目でグループごとの反省会を行った後、バスで浅間大社を参拝。入浴と食事の後、帰途に着きました。
登山後、生徒から今回の富士登山についての一句を募ったところ、たくさんの作品を寄せられました。
下記はその一部です。
「富士山は 足を泣かせて 顔笑わせる」
「夏の富士 苦難乗り越え 見る景色 仲間と共に 頂に立つ」
「声高く 山頂めざす 仲間達」
「忘れない 山頂で見た あの景色」
「日本一 ここに登った自分も日本一」
「雨の中 東北魂 見せつけた」
「歩き出す 霧の真夜中 富士登山 はげます掛け声 夏の思い出」
「初富士山 心も体もたくましく」
「高い山 見あげて見れば 世界遺産」
「一歩ずつ 歩けば前に 進めます」
「山頂の つかれもふきとぶ 美しさ」
「富士の山 苦労の先に ある神秘」
「富士山の経験いかし 夢目指す」
「絶景に 呼吸忘れて 高山病」
また、この富士登山の模様は、朝日新聞、福島民友新聞、福島民報に掲載されました。また、下記の通りNHK BSプレミアムで「山の日」に放映されました。
番組名 NHK BSプレミアム にっぽん百名山スペシャル「今日は“山の日”日本一の峰々へ」。いくつか紹介されるVTRの一つで「東北の高校生の富士登山」が紹介されました。
放送日 2016年8月11日(木・祝)20時~21時29分
(再放送:2016年8月20日(土)13時30分~14時59分 予定)
今年もおかげさまでこのように東北の高校生の富士登山を無事終えることができました。
このプロジェクトを支えて下さったすべての皆様に改めて感謝申し上げます。
東北の高校生の富士登山 事務局