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2017年度の実施概要を発表。参加者の応募受付を開始します

「東北の高校生の富士登山」では、本日、2017年度の実施概要を発表し、参加者の応募受付を開始します。  本プロジェクトの発起人、登山家の田部井淳子は、昨年10月に逝去しましたが、事務局では、故人の遺志を引き継ぎ、 これからも「東北の高校生の富士登山」を継続していきます。  本年の日程は、7月25日(火)からの3日間になります。昨年同様、6合目の山小屋に2泊し、日本一の頂を目指します。詳しい内容については、当サイト「実施概要・応募要項」の欄をご覧ください。  実施概要の下段には配布中のご案内チラシ兼参加お申込書と同じPDFがあり、ダウンロードできますので、ご案内チラシでもご確認いただけます。
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参加者全員での富士山登頂を目指します。みなさんのご参加をお待ちしています。

東北の高校生の富士登山 事務局
山と溪谷社・日本山岳遺産基金、田部井進也

東北の高校生のみなさんへ

去る10月20日、本プロジェクトの発起人であり、主催者の一人である、登山家・田部井淳子が、腹膜癌のため77歳で逝去しました。女性として世界で初めてエベレストを登頂したほか、世界七大陸最高峰など、国内外のあらゆる山の頂きに足跡を残した登山家の長い登山人生の最後の登山が、本年7月の本プロジェクトでの富士登山になりました。  故郷福島を含んだ東日本大震災の被災地への思いは強く、生前から「このプロジェクトで、未来ある東北の高校生を1000人、富士山に連れて行くこと」を目標に掲げ、最後までその意思を強くもって生きました。  事務局では、故人の意思を引き継ぎ、「東北の高校生の富士登山」の活動は継続していきます。ミーティングを開き、2017年7月下旬の開催に向けて準備を開始しました。  募集は新年度からになりますが、東日本大震災で被災された高校生のみなさんのご参加をお待ちしています。


2016年7月「東北の高校生の富士登山」での記念写真

 

東北の高校生の富士登山
事務局スタッフ一同
(株式会社山と溪谷社・日本山岳遺産基金、田部井進也)

東北の高校生の富士登山2016、無事終了。 参加した高校生93名全員が登頂しました。

7月26日(火)~28日(木)の日程で、2016年の「東北の高校生の富士登山」が開催され、無事終了しました。

今回は福島県26校、宮城県3校の計29校から高校生93人(女子43名、男子50名)が参加し、東北の高校生93名全員が、富士山の最高峰である剣ヶ峰3776mに登頂することができました。

登り下りは時折強く降る霧雨の中での歩きでしたが、頂上では青空となり、青空に雲海が広がる中を五合目まで下りました。

【7月26日(火)】

水ヶ塚での開会式の後、バスで五合目へ。この日は六合目の山小屋までの短い行程ですが、歩き方や呼吸法を学びながら、足慣らしを兼ねてゆっくりと進みました。
小屋に着いてから、高所順応のために、六合五勺付近まで往復。引き返す途中で、さらに上部の山小屋へと向う田部井隊一行とすれ違い、エールを交わし合いました。

【7月27日(水)】

ヘッドランプを点けて未明に出発。
慣れない暗さと、降り続く小雨に気持ちも萎えてしまいそうでしたが、各班でお互いを励ましあいながら、一歩一歩山頂へと向かいます。
七合目では、先に登っていた総隊長の田部井淳子が次々に来る高校生たちに声をかけて励ましました。
時おり青空がのぞく頂上が近づくと、「がんばろう東北」と大書された日の丸の旗がたなびいていました。埼玉から応援に駆けつけてくれた一般登山者の人でした。
さらに上の鳥居の辺りでは、応援ツアーに参加してくれた方々が、応援の手ぬぐいを掲げ、口々に声援と握手で出迎えてくれました。高所の苦しさも足の痛みも吹き飛んで、感激して涙ぐむ高校生も。
頂上での休憩と集合写真の撮影も終わろうというころ、黒川惠登山隊長から声がかかりました。「まもなく、遅れていた最終のグループの人たちも登って来ます。みんなで出迎えましょう」。山頂神社へと続く道の両側に連なる出迎えの人並み。「おめでとう」の拍手と歓声と涙。今回のハイライトでした。
下山途中から雨が降り出しました。疲れた体には辛い雨ですが、みんなが登頂できた喜びをかみしめて、滑らないように一歩一歩慎重に下りました。
帰り着いた六合目の小屋の前で、先に下りていた田部井が一人ひとりに声をかけて、出迎えました。

【7月28日(木)】

最終日の朝は一面の雲海。影富士も見えました。
昨日登った山頂をバックに全員で記念写真を撮ってから下山しました。
五合目でグループごとの反省会を行った後、バスで浅間大社を参拝。入浴と食事の後、帰途に着きました。

登山後、生徒から今回の富士登山についての一句を募ったところ、たくさんの作品を寄せられました。

下記はその一部です。

「富士山は 足を泣かせて 顔笑わせる」
「夏の富士 苦難乗り越え 見る景色 仲間と共に 頂に立つ」
「声高く 山頂めざす 仲間達」
「忘れない 山頂で見た あの景色」
「日本一 ここに登った自分も日本一」
「雨の中 東北魂 見せつけた」
「歩き出す 霧の真夜中 富士登山 はげます掛け声 夏の思い出」
「初富士山 心も体もたくましく」
「高い山 見あげて見れば 世界遺産」
「一歩ずつ 歩けば前に 進めます」
「山頂の つかれもふきとぶ 美しさ」
「富士の山 苦労の先に ある神秘」
「富士山の経験いかし 夢目指す」
「絶景に 呼吸忘れて 高山病」

また、この富士登山の模様は、朝日新聞、福島民友新聞、福島民報に掲載されました。また、下記の通りNHK BSプレミアムで「山の日」に放映されました。

番組名 NHK BSプレミアム にっぽん百名山スペシャル「今日は“山の日”日本一の峰々へ」。いくつか紹介されるVTRの一つで「東北の高校生の富士登山」が紹介されました。

放送日 2016年8月11日(木・祝)20時~21時29分
(再放送:2016年8月20日(土)13時30分~14時59分 予定)

今年もおかげさまでこのように東北の高校生の富士登山を無事終えることができました。
このプロジェクトを支えて下さったすべての皆様に改めて感謝申し上げます。

東北の高校生の富士登山 事務局

最終ミーティングと、行動食バックづくりを行いました

7月13日(水)、都内のアルパインツアーサービスさんの会議室にて、当日同行するスタッフを交えた最終ミーティングを行いました。  また、7月20日(水)、協賛各社から提供していただいた行動食を仕分けて、1人分のセットをつくる作業を行いました。  今年は2日間の山小屋泊となるため、行動食も少し多目に準備しています。高校生・スタッフを含め、約150人分の行動食バックづくりは、2時間ほどで完了しました。作業の様子と、行動食バックの中身を、一部ご紹介します。


協賛いただいた行動食を仕分ける田部井さんとスタッフ


行動食バックの中身です。このほか、班ごとにサプリメントも用意されています。  

参加者のみなさんには、当日、富士登山出発前にお渡ししますので、楽しみにお待ちくださいね。  
いよいよ、来週が富士登山の本番です。お天気を祈りつつ、万全の態勢で臨みましょう。

6月25日、郡山にて事前説明会を開催しました

6月25日(土)、参加者の高校生と親御さんに対して、郡山にて事前説明会を行いました。富士登山に参加予定の高校生96名のうち、56名がこの説明会に出席。親御さん34名も同席され、合計90名になりました。  主催者を代表して田部井淳子からメッセージを伝えたあと、事務局スタッフ、旅行実施会社の「アルパイン・ツアー・サービス」のスタッフ、登山用具のレンタルを担当していただく「やまどうぐレンタル屋」のスタッフが、富士登山の概略・詳細を説明しました。

すでに申し込みを済ませているレンタルの登山用具については、実際に登山靴を履いてみてサイズ感を確認し、「やまどうぐレンタル屋」のスタッフにサイズ変更を申し出る高校生もいて、富士登山に向けての準備が進んでいる様子でした。

 

ひと月後の7月24日が本番ですが、参加の高校生のみなさんは、体調を整え、少しでも体力をつけ、富士登山に臨んでください。

東北の高校生の富士登山、2016年度の申し込みを締め切りました

こんにちは。「東北の高校生の富士登山」事務局です。

5月になり、たいへんたくさんのご応募をいただいておりましたが、応募者多数につき、「東北の高校生の富士登山」、2016年度の参加申し込みを締め切りました。締切日より前ではありますが、ご了承ください。

応募いただいた高校生の皆さんには、結果を6月中旬までに、全員にご郵送しますので、少々お待ちください。

2016年5月24日
「東北の高校生の富士登山」事務局

2016年度の実施概要を発表。参加者の応募受付を開始します

「東北の高校生の富士登山」では、本日、2016年度の実施概要を発表し、参加者の応募受付を開始します。

今年も東日本大震災で被災した東北の高校生80名を募集します。日程は、7月26日(火)からの3日間、富士山頂を目指します。

昨年は、天候に恵まれず、登頂することができませんでしたので、今年については、2泊3日の後半2日のどちらかで登頂できるよう、スケジュールを調整しました。

応募の詳しい内容については、当サイト「実施概要・応募要項」の欄をご覧ください。

実施概要の下段には配布中のご案内チラシ兼参加お申込書と同じPDFがあり、ダウンロードできますので、ご案内チラシでもご確認いただけます。
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参加者全員での富士山登頂を目指します。みなさんのご参加をお待ちしています。


東北の高校生の富士登山 事務局

登山家・田部井淳子
山と溪谷社・日本山岳遺産基金

大人向け。「東北の高校生の富士登山」応援ツアー、参加者募集中

 被災した東北の高校生を対象にした「東北の高校生の富士登山」は2016年の夏で5回目を迎えます。

 本プロジェクトを応援したいというお問い合わせをたくさんいただいている中で、当日、高校生たちと一緒に登りたいというご依頼もいただくようになりました。

 そこで、本プロジェクトを旅行面で支えていただいている株式会社アルパインツアーサービス様に、高校生を富士山の頂上で出迎え、激励する、「応援登山ツアー」を計画していただきました。

 集合場所は、東京駅、横浜駅、JR御殿場駅、富士山スカイライン 水ヶ塚公園駐車場で、高校生より先に移動し、山頂で出迎えるという行程になっています。

 ご案内チラシ(PDF)を用意しましたので、詳細をご確認のうえ、ご参加ください。
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高校生を応援したい、というみなさまのご参加をお待ちしています。

購入金額の一部が当プロジェクトへの寄付に。富士山をモチーフにしたティッシュケース、発売中

オリジナルブランドのバッグ、雑貨、服飾雑貨等の企画製造卸を行う株式会社ヘミングス様のご協力により、同社が販売する富士山をモチーフにしたティッシュケース「tente(テンテ)」について、売上の一部を「東北の高校生富士登山」に寄付いただくことになりました。

富士山をモチーフにしたティッシュケースは、Fujiyama(BLUE)、Fujiyama(RED)、富嶽三十六景(凱風快晴)、富嶽三十六景(神奈川沖浪裏)の全部で4種類。購入いただくことで、「東北の高校生の富士登山」を応援いただいたことになります。

インテリアとして、プレゼントとしてぜひお買い求めください。購入はこちらのウェブサイトで。

2015年の「東北の高校生の富士登山」を終了しました

 7月22日(水)~24日(金)の3日間で、2015年の「東北の高校生の富士登山」を終了しました。今回は福島県、宮城県ほかの34の学校から高校生101人(男子56名、女子45名)が参加しました。

 22日、朝の出発時は、晴天でよかった、と思ったものの、午後、山麓の水ヶ塚公園に集合した時点で強い風雨になり、開会式は中止。小降りに変わったところで、静岡県の富士宮口五合目から入山し、夕方、富士宮ルート六合目の山小屋(雲海荘、宝永山荘)に到着しました。

 本来なら翌23日未明の出発で頂上を目指すはずでしたが、時折強い風が吹き付け、雨は降り止まず、未明からの山行は中止。午前4時、改めて山の気象専門家に問い合わせたところ、静岡側の富士宮ルートは、今後いっそう風雨が強くなるとのことで、運営スタッフで数回のミーティングを行い、頂上を目指すことは断念せざるを得ないと決定しました。

 せめて富士山の雄大さだけでも体験してもらおうと、23日8時30分に山小屋を出発。風が強くなる手前の六合五勺で折り返すという計画で、一歩一歩、慎重な足取りで頂上へと続く登山道を辿り、五合目に下山しました。

 下山時間が早まったため、急遽、富士吉田市の「富士山レーダードーム館」を見学。35年間に渡り、富士山頂で気象観測の重要な役割を果たした施設の歴史を学びました。

 河口湖畔の宿に入った夕方には雨が上がり、ホテルの食堂からは、裾野の緑も鮮やかさを増した富士山の雄大な姿が現れ、高校生は、みな、その美しさに感激した様子で、やっと仰ぎ見ることができた憧れの山にカメラを向けていました。

 24日(金)は、当初の予定通りのスケジュールを行い、午前中に西湖周辺での溶岩洞窟体験と樹海の自然観察を行ったあと、北口本宮冨士浅間神社をお参りして、正午に解散式を行いました。

 2日目の夜の集会では、田部井総隊長から「どんなにがんばっても、今日のように、思い通りにならないことはたくさんある。めげずに、諦めずに、一歩一歩前に進んでいくことが大切」とアドバイスを受けた高校生たち。今回は、「日本一の頂上」に立つことこそかないませんでしたが、参加してくれた高校生たちそれぞれが、厳しい自然条件を体感する中で何かをつかみとってくれたのではないかと思います。全員が大きなケガや病気もなく、無事に帰途につくことができました。


 以下は、高校生たちが寄せ書きに残してくれたコメントの一部です。

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「“日本人なら一度は!!” と思って挑戦しました! でも残念ながら天気が悪く山頂まで行けませんでした…。今年で3年生。高校生最後なので来年はできませんが、いつかリベンジして山頂からの眺めを観たいです!! 楽しかったです。ありがとうございました。」

「日本一の山、富士山に登れてとても幸せでした。次は頂上まで登りたい!」

「山頂にいきたかった…。でも七合目まで行けたのはいろいろな人々のおかげだと思うので感謝しつつ。また登れるようトレーニングしてリベンジするぞ!!」

「今回は七合目までしか行けなかったけど、たくさんの人達とふれ合ったりし、人として一周り成長できたと思います。来年こそはリベンジ!」

「あいにくの雨で残念ながら頂上まで登ることはできなかったけれど、初めての富士山を体験できたのはいい思い出になりました! いつかまた富士山へ来て、頂上まで登りたいと思います!!」

「次に登るときは、頂上に!! こんどは、晴れますように。」

「天候は悪かったけど日本一の山に登れて本当によかった! 来年リベンジ!!」

「絶対、諦めない、次こそ頂上(てっぺん)へ。」

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 ご協力いただいたみなさん、ありがとうございました。

写真=渡辺幸雄

※この富士登山の模様は、朝日新聞、福島民友新聞、福島民報にも掲載されました。